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リクルート 人材育成(スタンスづくり)

 こんにちは、伊庭正康です。「リクルートような強い営業組織を作りたい」とオーダーを受けることがあります。私の前職がリクルートで管理職(在籍21年)をしていたことがその理由です。確かにリクルートの営業は熱心だし、提案力があるとの評価を頂く機会が多かったのも事実です。しかし、それは特別な「才能」によるものではなく、「しくみ」によって担保されていたことは余り知られていません。

 そこで、今回は営業最前線における人材育成のリアルを紹介したいと思います。この記事が現場での人材育成のお役に立てれば幸いです。

リクルートの人材育成は、強い「目標達成志向」のインストールから始める

 営業マン1人1人に「経営目標」と呼ばれる3か月単位の営業目標が設定され、リクルートの営業マンはこの経営目標に向けて邁進することを責任とされます。もちろん未達成であってもクビになることはないのですが、達成すれば大々的な社内表彰を受けるなどの名誉が与えられます。営業所内でも達成した暁には、デスクの上の天井に「達成」の垂れ幕を掲示してもらったり、職場のスタッフから握手を受けます。イメージとしては予選通過したアスリートのようなイメージ。逆に未達成の場合は周囲からは「次回は頑張って」と、それこそ予選落ちのアスリートのように対応されます。

 目標の達成が危うくなった私の後輩のエピソードを紹介しましょう。彼の父親は社ある会社の社長でした。切羽詰まった彼は、その父親の寝室に行き、「起きてくれ。今こそ親父の会社には人材が必要なはずや。話を聴いて欲しい」と直談判をしたものの、「それはムリやで」と一蹴されたこともありました。彼は目標が未達成となってしまったのですが、その姿勢に周囲は賞賛を送りました。そのレベルまでの目標への”くらいつき”を周囲は期待します。

・強い「目標達成志向」のインストールは、アスリートの予選選考会のような雰囲気があってこそ。

 

リクルートの人材育成は、高頻度で「成功体験」の機会を提供する

 リクルート出身のトップ営業マンは何人いると思われますか?MVPを3回とればトップセールスであるなら、きっと数千人はいるでしょう。それは、表彰システムによってトップセールスのエビデンス(証明)を受ける機会がふんだんに用意されているからです。具体的には、3か月に1回、いや事業によっては1カ月に1回の頻度で表彰があります。リクルートで活躍したトップセールス達は「MVP」の受賞歴を語ることが多いのはこのためです。

 例えば、私は約10年の営業経験で40回以上の表彰を受けています。年間の日本一も4回です。このレベルなら数百人いる各事業に1~2人はいます。ただ、言えることは表彰されるのは簡単ではないということ。目標は上がり続けますので、かなりの努力が必要であるのは事実。絶えず成長が求められます。

・たくさんの表彰が、たくさんの「成功体験」を 作る

 

リクルートの人材育成は、「提言と協働」を強く要望する

 営業ながら個人プレーはNGとされます。協業を求められます。協業のスタンス開発も「目標」というしくみで担保されます。個人の目標を達成したとしても、「チーム目標」「営業所目標」「部目標」「事業部目標」「全社目標」の達成に向けての貢献を求められます。「個人目標達成、おめでとう。あとはチーム目標まで、あと1000万。君はどこまで貢献できる?」と。直接、給与があがるわけでもありませんが、それでも「チームのために頑張るぞ」と思うスタンスを養います。

 また、同時に会社への「提言」も期待されます。各事業にはコンテストがあり、「こうすれば、もっとお客様の満足を頂ける」「そうすれば、上手くいった」等、キャリアに関わらず提言、共有の機会を求められます。良い話の「ひとりじめ」は絶対に許されません。提言を行うことで表彰された時には、賞金だけでなく、人事考課にも反映される徹底ぶりです。

 

・提言と協働のスタンスは、説教ではなく、「組織目標」と「評価」のしくみで開発する

 

 

 さて、いかがでしたでしょうか。「リクルートような強い営業組織を作りたい」とオーダーに対しては、特別な「才能」によるものではなく、「しくみ」によって担保されていたことからお話しをします。実際に入新人は目を白黒させますが、1年もすれば全力で走っています。走れない人は、先輩が走れるようにコーチングをします(辞めさようとする圧力はありません)。「しくみ」と「風土」がそうさせます。人材開発の一例としてヒントになれば嬉しいです。

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