社会は公平。チャンスを得られる人とは。
先日、静岡の高校で「社会人になるに備え、高校生のうちに身に着けておくべきこと」をテーマにお話しをさせて頂きました。聞き手は、体育館で三角座りをする全校生徒。実は、そこで質問が次々と出たのです。講演の時間は90分。集中するだけでも大な時間です。にもかかわらず、私の話しを一生県命に聞き、ワークにも積極的に参加し、そして最後に訪れた質問タイム。そこで、次から次と手が上がったのです。
そして、最後の生徒会長の言葉が極め付け。
「環境は与えられるものではなく、自分で作るものだと実感しました。今からがんばります。」
とても嬉しい瞬間でした。そこで感じたことがあります。生徒は「社会人になるにあたって希望も持っている一方で、やはり不安も抱えている」ということ。その意味で、この講演の機会を頂いたことは、とても意義のあった時間でした。
そこで今回は、趣向を変え、講演でお話した内容をほんの少しにはなりますが、子供だけではなく新人やアルバイトのみなさまへのご指導のヒントになるのでは、との思いもあり、紹介させて頂きます。
企業が、若手社員に求めている力は「働きかける力」
以下、話したことのエッセンスを紹介します。学校の成績、英語力、それも大事。でも、企業が重視すること、それは「自分に対する努力も大事ながら、それ以上に他者に対して働きかける力である」ということを紹介しました。
2人の兄弟の例を紹介しました。兄は学業優秀。しかし家計を助けるため進学せずにJR(国鉄)の保線係に就職。しかし、その後、チャンスをつかみ会社から進学させてもらえることに。その後は、JRの関連会社の社長にまで昇進。一方、弟はヤンチャ。勉強は嫌い。進学せずに職人に。そこで後輩の面倒、先輩の手助けを積極的にする努力が目に留まり、なんとその会社の社長に。
なぜ、彼らはチャンスを掴めたのか。
それは、環境を「自らが作るもの」と考え、積極的に働きかけたこと。実は、彼らだけではなく、世の中はそうなっている、ということを伝えました。
社会は公平。チャンスを得られる人とは。
そして、社会は極めて公平に出来ており、正しい行動をとると必ずチャンスが来ることを伝えました。その正しい行動とは次の3つ。
【チャンスをつかむ正しい行動】
① 逃げない人、転々としない人
② 小さな約束を守れる人
③ 感謝と挨拶をしっかりと伝える人
大学卒業後、3年以内に退職する人は3割にもなります。だた、そのほとんどは「逃げ」。環境を作る人発想ではなく、環境を変えることで自分の状態を良くしようという発想。1回2回なら社会は許容範囲として見るが、3回も繰り返すと、一気に信用をなくす。レギュラーになれないからクラブをやめる、そう考えたくなる気持ちもわかるが、考え直すことも大事ということを伝えました。
また、1分であっても遅刻は遅刻。小さな約束を守れない人と見なされる。社会人は叱られることはないが、見極められる。今から意識しておいた方が良い。あと、当たり前ながら感謝と挨拶は「思うだけ」ではなく「伝えて」こそ意味がある。
生徒の反応
厳しい話(実情)をしましたが、生徒のみなさんの表情は真剣そのものでした。そして、その後のアンケートも拝見すると、社会人になるにあたって、今やるべきことを考えるきっかけになったようでした。
【2年女子】
これからは、将来のことを明るく考えてみようと思う。企業は熱意のある人を求めるので、不安な未来の事は考えず、将来の夢をなくさないように、気をつけたい。未来の事を考えることも大切だと思うけれど、悩み過ぎず、今を大切にすることができるように努力したい。
【3年男子】
貴重な体験ができました。緊迫した場面で、いかに力を発揮できるかが、今後は大切になってくると思うので、その時は、今日の事を思い出してがんばります。
まとめ
いかがでしょう。
彼らが求めるのは、抽象論や正論ではなく、社会の本当の姿。そこには、厳しいこともある一方で、正しい行動をすれば、確実にチャンスを得られる、「極めて公平である」ことを伝えることが重要な気がします。
そして、社会人になると「自分で環境を作る」ことが極めて重要。そのことを伝えることが我々の責務のようにも思えました。
今回は趣向を変え、子供達、新人社員、アルバイトを指導する際のヒントをテーマとさせていただきました。今回の記事が、彼らの成長の一助になれば幸いです。
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