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人が辞めない介護施設「合掌苑」の凡事徹底!

 

こんにちは。
「仕事は面白くするもの」と信じて疑わない、セールスコンサルタント 伊庭正康です。
リビング・オブ・ザ・イヤーにも輝いた町田の介護施設、社会福祉法人合掌苑の見学会に行ってまいりました!!
新横浜駅からバスで現地へ向かうバスは、介護施設にお勤めの方々、人材サービスの方でいっぱいでした。

研修会社の私が合掌苑に注目した理由はただ1つ。
人が辞めない介護施設、更にハローワークも人を紹介したくなると言われる、そんな採用に困らない、注目の介護施設があるとの情報を聞いたからです。これは、私のクライアントにお伝えできる貴重なヒントが得られるのでは、との思いでした。

今回は、理事長の話を聞き、入居者の部屋から、おむつ置き場まで、隅から隅まで施設を見学をさせて頂きました。
驚きの連続だったのですが、今回、共有したいのは、合掌苑が大事にされる凡事徹底についてです。

合掌苑の考えでは「アタリマエ」と「当たり前」を分け、その違いを明確にすることで、”主体的な凡事徹底”を推進されています。

私自身、とても勉強になりました。共有させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

「アタリマエ」と「当たり前」を明確に分ける合掌苑!

合掌苑は町田に3拠点の施設を構える、介護施設を経営する会社です。売上27億円。売上向上が厳しい業界にあって、保険診療以外の収益を伸ばされている業界出は垂涎の的。
そんな、合掌苑のはじまりは、太平洋戦争の空襲で家も家族も失った高齢者を守る「お寺」だったそうです。

深い話を聞きました。戦後は家も家庭も失った高齢者が多かったそうなのですが、このお寺では、そんな高齢者が何の不自由なく暮らせるよう、徹底的な施しをしたそうです。餓死者も出た時代。それは大変な苦労だったそうです。しかし、そんな努力の甲斐もむなしく、悲劇がおこります。1人のお年寄りが自らの命を絶ったのです。その遺書にはこう書いていたそうです。

「施しだけで生きるのは良くない」と。

この言葉におおいに反省をしたと言います。
幸せは施しの中にはなく、尊厳の中にあったのだ、と。

それ以来、深い悲しみの中、合掌苑では「居住者の尊厳・意志」を最優先することを掲げられました。
そして、合掌苑の「フィロソフィー」を作成されたのです。
「人間大好きになれ」と書かれた表紙をめくると71ページ目にこんなくだりがあります。

「当たり前」は、”ふつうはやるでしょ”の押し付け、
「アタリマエ」は”凡事徹底”のこと。

そして、「アタリマエ」にあって、「当たり前」にないものは、
「思いやり」と「感謝の気持ち」、だと

更に、理事長は話しを続けられました。
「アタリマエ」は誰かのことに思いを馳せながらすること。元気な挨拶をすれば気持ちよくなる、ごみを拾えば過ごしやすくなる、そんな「誰か」を思う気持ちがあるかどうか。

一方で、「当たり前」は、社長の目を気にして、「コレをやらないと社長に叱られる」というもの、だと。

マニュアルを導入すると、マニュアル通りのことしかからなくなることが問題だと言われることが多い今、とても深い示唆だと感じました。

 

合掌苑は「アタリマエ」をどうやって浸透させたのか?

合掌苑は極めて科学的な経営をされており、例えばアメーバ経営をはじめ、様々な取り組みに定量的なKPIを設定する等、曖昧さがないことも特筆すべき特徴です。ただ、理事長はそれだけではない、ともおっしゃいます。
アタリマエ、つまり心のこもった凡事徹底は、「日々の習慣」にあるとおっしゃいます。こちらをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、「The Commitment to Quality」と言われるので、デイリーでテーマを設定し、職員が思いを語る場が設けられているのです。一例をあげると、

8月21日 「先週、仕事をして嬉しかったことは?」
8月22日 「スタッフストーリー(お客様からの感謝の声)を読んでどんなことを感じましたか?」

そんな会話を「364日(元日以外毎日)」、励行されているというのですから、驚きです。

思いを宿らせるためには、それぞれが実践をし、内省することでしかないことを考えると、とても参考になると思いました。

まとめましょう。
多くの会社がマニュアルを作成すれど、形骸化する時というのは、「やらないと叱られるから」「やると昇給できるから」「やると褒められるから」と社内に目が向いていることが多いな、と思うのです。合掌苑はそうではありませんでした。「誰のためにやるのか」、そのことには妥協がありませんでした。なるほど、人がやめない理由がよくわかりました。もちろん、1人1人が主役にある姿で施設の中は溢れていました。

 

では。

 

 

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