「教育指導担当者」の3要件とは?
こんにちは。伊庭正康です。本当に街の出来事の全てが勉強だと思います。日曜の週末、京都のレストランでの会計での出来事でした。
「伝票、お持ちですか?」
「あっ、席に伝票を忘れてきました。」
「かしこまりました。(インカムで)『6番のお客様の伝票、後で持ってきてください』。はい、大丈夫でした。1600円になります。」
確かに間違いではないですが、何かが足りません。一言を加えるだけで、まったく変わるからです。
「かしこまりました。スグに持ってこさせますので、気にされないでください。お味はいかがでしたか?」
この「お味はいかがでしたか?」を入れるだけで、お客様の満足は圧倒的に変わります。でも、それを言う店は、私が知る限りは、たまにしか行かないリッツカールトンのレストランといつも行くスターバックスくらいです。
「仕事の本質を教えない」ことの恐ろしさ
私は、仕事とは宗教は似ていると言われます。誰かを幸せにするために存在する点は一致することです。違いがあるとすれば、それが生業となっているかどうかくらい。つまり、仕事の本質は、だれかを幸せにすることであり、言うなれば常に相手を基点に考えることにあるのでしょう。だからこそ、思うことがあります。
教える人の人選の大事さです。
多くの会社にマンツーマンで仕事を教える教育担当者という先輩がいます。でも、その教育担当者が、仕事の本質を理解していないと、「本質がわからない人の量産する」だけであることを、目の当たりにします。それは、顧客サービスの悪さ、そしてボディブローのように業績に出てきます。
私は、教育担当者には3つの要件が求められると考えます。
【要件1】安定した高い業績を出せる先輩
(1割打者が3割打者を育てることは絶対にできない)
【要件2】同時に、この仕事を醍醐味や、意義を本心から語れる先輩
(後輩のモチベーションに大きく影響)
【要件3】この仕事が好きで好きでしかたがない先輩
(こんな先輩になりたいなと思われる存在)
私は、1つの仕事を教えるとは、一種の宗教のようなものだと申しました。だとするなら、この3点を伴わない人は、教育担当者としては不十分だと考えた方が良さそうです。
「なぜ、スタバのバイトは”気の利くひとこと”をかけられるか?
スタバは、「惜しかったですか」「このクリスマスブレンドは・・」と自然な会話でお客様とリレーションを作る稀有な会社です。私は教育担当者の存在が大きいと考えています。スタバでは約80時間の新人教育がありますが、その多くを口伝(くでん)で伝えます。「そこで、もう少し笑顔を出してみようか。お客様はどう感じるかな?」「あの時、ゲストは何を考えていらっしゃったかな?」、まさに業務だけではなく、本質を考えさせる育て方です。
マニュアルは大事です。ただ、仕事の本質を語れる教育担当者の存在があってこそ、マニュアルは生きてきます。
もし、語れる先輩がいなければ、負を連鎖を量産するだけです。もし、そんな先輩がいないなら、早急に教育担当者には仕事の本質を理解させることが急務だと考えるべきでしょう。
JALを再生させた稲盛会長も、何よりも仕事の本質を考えさせる教育を徹底させたと言います。最近、機長の挨拶が変わったのもそのためです。「寒くなってまりました。皆様にとって楽しい旅となりますよう、くれぐれも体にはご自愛くださいませ」、そんな心温まるアナウンスが流れるようになりました。セリフは、1人1人のオリジナルだそうです。本質がわかれば、あとはうまく行く。それを裏付けるエピソードです。
皆さまの明日のビジネスの一助になれば幸いです。
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